テクノロジーの活用

Windows XPでしか動かない基幹システムを、AI活用で「他社見積りの100分の1以下」で刷新した話

※本記事はお客様の許可のもと、企業名・取引先名・固有の業務情報を伏せて掲載しています。

「このパソコンが壊れたら、業務が止まります」

ご相談をいただいたとき、お客様の現場には1台の古いパソコンがありました。 そこで動いていたのは、Windows XP上でしか起動しない基幹システム。 日々の受付・修理進捗・見積・請求まで、事業の中核を担う業務がすべてこの1台に集約されていました。

  • OSはとうにサポートが終了したWindows XP
  • 中身はMicrosoft Accessと旧世代のデータベースで組まれた、十数年前の作り込み
  • 開発した担当者はすでに不在で、仕様を分かる人がいない
  • 新しいPCには入れられず、「いつか終わってもおかしくない」という綱渡りの運用

「いつ止まってもおかしくない」――その不安と、毎日一緒に仕事をしている状態でした。

レガシーシステムの“見えない壁”

この手のシステムは、ただ新しくすればいいという話ではありません。

長年の業務がそのまま染み込んでいて、画面の1つ1つ、ボタンの1つ1つに「現場のルール」が埋め込まれています。 たとえば今回のシステムにも、こうした業務ロジックが数百箇所にわたって組み込まれていました。

  • 受付番号を「年月 × 部門」単位で自動採番する独自ルール
  • 保証区分を設定する前に費用区分は触れない、といった入力順序の制約
  • 見積回答の状況によって、完了・発送の入力可否が変わる条件分岐
  • 帳票(受付票・見積書・修理明細書・請求書)のフォーマットが、取引先ごとに何十種類も存在

これらを正しく引き継げないと、現場は新システムを信用してくれません。 だからこそ、レガシー刷新は「作り直し」より難しく、一般的なシステム会社では数百万円規模の見積りが普通に出てくる領域なのです。

私たちのアプローチ:AIに“現行システムを読ませる”

グロースコンサルティング株式会社が取った方法は、ゼロから設計し直すことではありませんでした。

現行システムの中身(旧来のプログラム・帳票定義・業務ロジック)を、最新の生成AIに丸ごと読み込ませ、そこから業務ルールを抽出・再現するというアプローチです。

  1. 現行ロジックの解析 — 旧システムに残されたソースコード(数百ファイル)をAIに読み込ませ、人手では追いきれない業務ルールを構造化して抽出
  2. 業務ルールの再現 — 採番ルール、入力バリデーション、条件分岐を、抽出結果をもとに現代的なWebアプリとして再実装
  3. 帳票の完全再現 — 取引先ごとに異なる見積書・明細書・請求書(インボイス対応含む)をPDFで出力できるよう移植
  4. モダンな技術スタックへ — Webブラウザだけで動く構成に刷新。特定のPC・特定のOSへの依存を撤廃

開発はAIエージェントを「プロジェクトマネージャー」「開発」「デザイン」と役割分担させ、人間が要件と品質をコントロールしながら、実装スピードをAIで何十倍にも引き上げる進め方で行いました。

成果:他社見積りの「100分の1以下」で刷新

結果として、お客様が他社から受け取っていた見積りと比べ、100分の1以下のコストでシステムを刷新することができました。

しかも、単に安くなっただけではありません。

Before(Windows XP時代)After(刷新後)
特定の1台のPCでしか動かないどのPCでもブラウザだけで動く
OSサポート終了・セキュリティリスク最新のセキュリティ基準で構築
仕様が分かる人がいない業務ルールを文書化・可視化
故障=業務停止のリスククラウド対応で“1台依存”を解消
帳票の改修が困難取引先別の帳票を柔軟に出力

「壊れたら終わり」だった綱渡りの運用から、事業として安心して使い続けられる基盤へ。 コストを劇的に下げながら、システムとしての価値はむしろ大きく引き上げることができました。

なぜここまでコストを下げられるのか

「安かろう悪かろう」ではないか、と思われるかもしれません。 私たちが圧倒的なコストで提供できる理由は、シンプルです。

  • AIを“読む・書く”の両面で徹底活用 — 現行解析にかかる調査工数と、実装にかかる開発工数の両方を圧縮
  • 無駄な多重下請け構造を持たない — 中間マージンを乗せない
  • 本当に必要な機能から、現場と一緒に作る — 大掛かりな要件定義の前に動くものを見せる

レガシーシステムの刷新は、「お金がかかるから」「動いているから」と先送りされがちです。 しかし、サポートの切れたOSや属人化したシステムを抱え続けることは、いつか必ず訪れる“その日”のリスクを毎日抱えていることと同じです。

こんなお悩みはありませんか?

  • 古いPC・古いOSでしか動かないソフトを、だましだまし使っている
  • ExcelやAccessで組まれた業務システムが、作った人の退職でブラックボックス化している
  • システム刷新の見積りを取ったら、金額が大きすぎて踏み切れなかった

そのお悩み、AIを活用すれば想像よりずっと低コストで解決できるかもしれません。

グロースコンサルティング株式会社では、レガシーシステムの解析・刷新を、現場に寄り添いながらご支援しています。 「うちのこのシステム、どうにかなる?」という段階からで構いません。まずはお気軽にご相談ください。